KANBIN TIME | かんびん たいむ

ABOUT

KANBIN

An illustrator based in Tokyo and Taiwan.

東京と台湾を拠点に活動するイラストレーター。

MORE>>

Edo-Reiwa 100 Figures #004-Long long love letters /江戸令和百人美女・長すぎる恋文

★English below.

歌川国貞による江戸の美女100人を描いた「江戸名所百人美女」シリーズ。
江戸の各地とからめながら、当時の女性の生き方や人間らしい姿が
手にとるようにわかる連作である。


その美女たちの姿から、現代の女性の姿が重なって見えた…
「江戸令和百人美女」シリーズの始まりです。

江戸名所百人美女・4人目は…

「江戸名所百人美女」四人目は、
恋文を書いていたらついつい長くなってしまったガール。


元となった歌川国貞の「江戸名所百人美女」シリーズには
全ての絵に、「コマ絵」といってその女性の行動や背景
のヒントになっています。今回の絵はその仕掛けが面白かったです。

コマ絵にかいてあるのは「安宅」という江戸の土地。
幕府の御用船「安宅丸」が停泊していたことからこの地名になりました。
しかし「安宅」でもっと有名なのは「安宅の関」です。
こちらは石川県にあり、歌舞伎でも有名な「勧進帳」の中の
「安宅の関のシーン」の舞台となった場所なのです。

超かいつまんで説明すると、源義経が兄・頼朝に追われ
この関にさしかかったとき、関守の尋問にあいました。
相棒の弁慶は、この危機に際して偽の巻物をびろーんと広げ、
即興で「勧進帳」を読み上げる…。
(もっと詳しく知りたければ勧進帳を調べましょう!)
要はここで、長い巻物を広げるのです。
「安宅」と書かれたコマ絵はこの巻物を広げるシーンを示唆しています。
長い巻物…この女性が今、意中の相手に差出そうとしている
この恋文もこの長さだと…

芸が細かい〜〜〜っ

あとこの女性がペロりと舌を出しているのは、手紙をかいていた巻紙を
切る際に、刃物で「切って」しまうと縁もきれてしまうので
下で湿らせてちぎることで縁も「契りたい」…ということで
日本語の文化ってこういうのばっかりで大好きです。

令和では…

そんな少女の姿を見て浮かんできたのは、まあやっぱりLINEを使って恋愛を進める現代の女性。


平安時代から超大事な恋愛ツールである手紙は、時代とともに電話、ポケベル、メール
SMS、そしてLINE…と変わってきたと思います。

江戸では一通一通がLINEの速度ではなかったと思うのでついつい長くなるのもわかりますが
現代のLINEなども、スタンプやらちょっとした一言やらをポンポン押していれば
簡単に長くなってしまいます。
一方方向のやりとりは長くなりがちで、いつのまにかLINEの画面も江戸時代の恋文ばりに長くなってしまいました。兄、頼朝に追われた義経が安宅の関を通る際、関守・富樫の厳しい尋問にあい、その危機を乗り切るため弁慶は、偽の巻物を広げて即興で「勧進帳」を読み上げ、さらに嫌疑がかけられると、主君である義経を打ち据える。その姿に感動した富樫が通行を許可した。
 これが誰もが知る勧進帳の有名なシーンだ。

The 4th Edo beauty is…

The 4th lady of ”Edo 100 beauties, 100places” is a girl who is finishing her very long love letter by wetting the paper to rip the edge.

In the Original Ukiyoe, there is a small picture on top of the Ukiyoe to show a place in Edo called “Atake”. It indicates the another place called “Atake” in Ishikawa-county. This place is famous for being in the famous Kabuki “Kanjincho” where the main characters do a great speech with very long notes-just as long as this lady’s letter!

That lady in Reiwa would be…

This Edo girl reminded me of course of the tools people use nowadays-smartphone.

In this picture I drew, this lady sent too many GIFs and stickers with many comments even though she hasn’t got a reply to any of those.

In the Edo times, sending letters could take a long time so we can kind of understand the Edo lady’s letter being SO long. But in nowadays, you can send the messages too easily that our chat box could look like the letters in Edo.